写し絵の「種板」復元の実績

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    日本大学 「関取千両幟」
  • 大阪芸術大学 「池田の猪買い」
  • 桂米朝一門 「三番叟」

調査の困難

 みんわ座は、1973年から器材調査と技法の復元に取りかかった。先祖が使った器材を保管している家を次々に訪ねた。だが、ことごとく開示を断られた。
 写し絵の器材は木製である。長い年月の間に湿気を帯び、板は風化し、使用中の壊れもある。フイルムに当たる絵はガラスに彩色されていた。割れているものが多い。器材をみても、素人が分かるものではない。箱を開かない方が壊れなくて済むと、滅ぶには,滅ぶ理由がある。そんな古くさいものを復元するのに、なんの意義があるのか・・・。冷笑が多く、応援は少なかった。

 みんわ座の取り柄は、諦めの悪い事だ。手を尽くし、小林源次郎氏の私家版「うつし絵」をみる機会を得た。それで復元のテンポがあがった。

失われた絵を復元する技術を開発

 破損の多い絵
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を復元するのに威力を発揮したのは「コンピュータ」だった。残された画像を総て入力し,絵の一片を取り出し、合わせ,試行錯誤を繰り返しながら失われた絵を復元していった。カメラ設計の専門家、レンズメーカーに協力を仰いで20年経った。

写し絵の器材の分布

 写し絵の器材が残されているのは、調布市や八王子市、青梅市、奥多摩地方などで、その多くが東京近郊だ。
 東京の中心部から見つからないのは、関東大震災や戦争によって東京の中心部が消失したことが大きな理由だと思われる。

写し絵を取り巻く現状

 博物館や郷土資料館に保管されている写し絵の器材の多くは、これを調査する学芸員はないに等しく、多くは破損したまま、未だ暗い箱の中にしまい込まれたままの状態だ。
 劇団みんわ座は、孤軍奮闘で復元に努めてきたが、一劇団だけで対応できるものではない。関係者の協力のもと器材の収集と研究・保全が緊急に求められている。

日本人の知恵と想像力

 この日本の独創的な映像劇に対して、欧米の著名な映像研究者により、「写し絵には、映像劇の過去と未来がある」と賞賛された。
 江戸の職人が西欧の文化に圧倒され、それを超える工夫をした日本人の知恵と想像力を、より多くに人達に伝えていくのが、みんわ座の使命だと考えている。